クロスリンク特許事務所(銀座・東銀座・新橋)のヤマダです。

マッサージシリーズいよいよ最終回

今まで、2回に渡って、マッサージ関係の商標のお話をしてきました。「うちは商標登録なんて考えてないから関係ないよ。」と思った、そこのあなた!

実は大いに関係があるんです(笑)

今日は、あなたが商標登録をする気がなくても、商標登録について注意しなければならない理由についてお話しします。

あなたが商標登録をする気がなくても他の人は考えている?!

サービスを提供する際のお店の名称、サービスの名称などは商標として機能します。

これらの名称は商標登録をしなければ使えないというわけではありません。しかし、他人に同じ名称や似た名称を商標登録をされてしまったら、あなたはその名称を使えなくなってしまいます(当たり前)。使用差し止めや損害賠償請求などのトラブルに発展する可能性だってあります。

あなたがマッサージのサービスを提供するにあたって、店名やサービス名を使う以上、少なくとも他人がどのような商標を使用し、どのような商標を登録しているかを知っておく必要があるのです。

事例その1(商標「アロママッサージ」)

マッサージ屋さんの看板やメニューで「アロママッサージ」という表示をよく見かけませんか?
ところが、実はこんな商標が登録されています。

商標登録:第4379571号(平成11年1月22日出願、平成12年4月28日登録)

商標(標準文字)  : 「アロママッサージ」
指定役務(サービス): 第42類「マッサージ」
商標権者      : 社団法人全日本鍼灸マッサージ師会

「アロママッサージ」といえば、誰でもアロマオイルを使ったマッサージをイメージしますよね。よく知られたマッサージの手法です。ところが、これが普通名称かと思いきや商標登録されているのです。

この社団法人は、あん摩マッサージ指圧師等の国家資格者によって構成される公益社団法人です。そして、マッサージを行う際に「アロママッサージ」という名称を使用する事に関して独占権を持っています。法律的には、この社団法人から許可を得なければ、サービスを提供する際に「アロママッサージ」の表示を使えません。

「アロママッサージ」の表示については、

● この社団法人の会員であれば自由に使うことができるのか
● 何らかの手続をすれば使うことができるのか
● この社団法人の会員でない場合に使うことができるのか

等について確認をした方がよさそうです。

事例その2(商標「ボクササイズ」)

「今まで問題になったことはないし、大丈夫なんじゃないの?」

そう思った方のために、実際に問題になってしまったケースを紹介します。
(マッサージに関する商標ではありませんが、似たようなケースです。)

「知らずに『ボクササイズ』商標権侵害 藤沢市が都内ジムに20万円賠償」

「ボクササイズ」の名称が商標登録されていることを知らずに市の事業で無断使用していたとして、神奈川県藤沢市は30日、商標権を持つ東京都内のボクシングジムに20万円の損害賠償を支払うことを明らかにした。(中略)

市は「まさか商標登録されていると思わなかった。特許庁のホームページでも調べられるので、今後は全庁的に使用前の調査を徹底したい」としている。

<カナロコ by 神奈川新聞 5月31日(火)7時3分配信>

皆さんも「ボクササイズ」といえば、ボクシングの動きを取り入れたエクササイズ、エアロビクスであることはご存知ですよね。これまた普通名称と思いきや、商標登録されているのです。

商標登録      :第3096779号

商標        :

商標登録3096779「ボクササイズ」

指定役務(サービス): 第42類「ボクシング式有酸素運動その他のスポーツ又は知識の教授」

この商標の商標権者はボクシングジムの会長さんです。「ボクササイズ」の名称で体験教室を開催し、チラシや広報で参加者を募集していた藤沢市に対して商標権侵害を指摘しました。

20万円という損害賠償金は大きな金額ではないようにも思えます。それでも地方自治体としての信用の失墜、解決のための時間、手間はバカにならないはずです。

もしあなたに同じことが起こったら…。想像力を働かせてリスクマネジメントをしておくことが大事です。少なくとも自分が使っている(使おうとしている)名称が出願されていないか、登録されていないか調査をした方がよいでしょう。

逆に、自分が商標登録をしている場合には、普通名称と間違えられないように、或いは普通名称になってしまわないように、しっかり商標管理の対策をすることが必要です。例えば、

● その名称が登録商標であることを明らかにする(登録番号を表示する、「®」をつける等)。
● 他の業者が使っているのを見つけたら、使うのを止めるように警告する。

等の対策が有効です。

まとめ

● 自分が商標登録をする気がなくても、他人の商標登録については知っておく必要がある。
● 一見、普通名称に見える商標にも要注意。
● 自分が商標登録をしている場合には、その名称が登録商標である旨の表示をする。

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