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事業計画が先、特許は後 ~Amazonが特許取得、飛行船からドローンで配達~<コラム#58>

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はじめに

年末から年始にかけて、Amazonの特許に関するニュースがいくつか飛び込んできました。いずれもドローン配達(Amazon Prime Air’s)に関連する特許のニュースです。

安全性や法規制の面から実現は難しいのではないかと疑問視する声もある中、何故、Amazonはそのような技術の特許を取得しているのでしょうか?

今日は、これらのAmazonの特許から「事業計画と特許の関係」について考えてみたいと思います。

 

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Amazonはドローン配達に関する技術の特許取得を進めている

昨年、12月30日に以下のようなニュースが配信されました。

アマゾン “飛行船を倉庫に”米の特許取得

NHK NEWS WEB 12月30日 13時06分

 

この技術をザックリ説明すると、

● 飛行船に荷物を積み込み、その飛行船を空中移動する配送センターとする
● この飛行船を配達先近くまで飛ばし、そこからドローンで荷物を配達する

というものです。

この技術はスポーツイベントや音楽フェスなど、一時的に多人数が集まる会場に対して個別の配送センターを設けることなく、スピーディーかつ効率的に荷物を届けることができる、というメリットがあります。

 

また、Amazonは、こんな技術についても特許を取得しています。

アマゾン、「ドローンを弓矢から守る」謎の特許を取得 ドローン配達の安全確保に有効?

sorae.JP 2016/12/28
塚本直樹

 

こちらの技術は

● ドローンに対して行われる可能性のある攻撃(弓矢の他、ハッキングなど)
● ドローンが遭遇するであろうトラブル(雷など)

からドローンを守るためのものです。

 

この技術によれば、ドローンが攻撃された場合、

● フェイルセーフモードが発動し、ドローンを地上に帰還させる
● エアバッグ、泡、パラシュート、バンパーなどの防御手段が作動する

など、様々な方法によって、ドローンが攻撃から守られます。

 

Amazonは事業計画に沿って戦略的に特許を取得している

ドローンは安全性の面から飛行高度が厳格に規制されています。

従って、これらの技術については「使用場面は極めて限定的」「実現可能性は未知数」などの否定的な見解が多いことも事実です。

 

それでは、Amazonは何故、これらドローン配達関連の特許の取得を進めているのでしょうか?

それは、Amazonがドローン配達を実用化し、ビジネスの基幹とすることを事業計画として決めているからだと思います。

既に事業計画で決まっているから、事業に必要な特許を取って技術を独占し、競合相手を排除しているのです。
Amazonは戦略的に特許の取得を進めているということです。

 

技術屋の思い込みを排除せよ

「そんなことは当たり前じゃないか」と思う人も多いかもしれません。

しかし、特許相談を受けていると、「良い技術ができたから特許を取っておきたい」という方が非常に多いのが事実です。

残念ながら、そこに「事業計画」という視点はありません。
「良い技術であれば収益に結びつくはずだ。」という技術屋の思い込み、妄想、甘い期待があるだけです。

このような技術で特許を取っても、単発的な特許(戦略性のない特許)となってしまい、事業収益に結びつかないことが多いのです。

 

特許技術は出願日から20年という長期に渡って保護されます。
目先のことだけではなく先々のことを考えて戦略的に特許を出願していく必要があります。

特に、ドローンのような新しい技術に関しては、現状に囚われず、広い視点で戦略的な特許出願を行っていくことが望ましいです。

現状、解決できない問題があって実現性が低いと思われる技術でも、数年経つと新たな技術が開発されて、難なくその問題を解決できるようになるかもしれません。
また、法規制なども未来永劫、現在の規制が続くとは限りませんから、今の法規制に囚われて思考停止に陥ることがないようにしたいものです。

 

まとめ

知財戦略は会社経営と密接に結びついています。

「会社がどういう方向にビジネスを進めていくのか」

この事業計画があって初めて、どのような特許を取るべきかというステージに進めるのです。
事業計画から逆算してどんな特許を取ればよいのかを考えるということです。

 

特許権などの知的財産権を取ろうとする際には、

● そのアイデアで、どんなビジネスが考えられるのか
● そのビジネスで、どの程度の利益を見込めるのか
● そのビジネスには将来性があるのか

等を考えることが極めて重要です。

 

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