東銀座の特許事務所「クロスリンク特許事務所」のヤマダです。

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エステー鈴木喬会長に学ぶ モノづくり系中小企業の生き残り戦略(2) ~モノづくりの鉄則~<コラム#92>

はじめに

前回は「ショ~シュ~リキ~♪」でお馴染み、エステーの鈴木会長のお話からモノづくり系中小企業の生き残り戦略、特に「市場選び」について考えてみました。

 

今日は、鈴木会長が「モノづくり」についてどのような考え方をしているか探ってみたいと思います。

 

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小さな中堅企業でも勝てる戦略。モノづくりの「3ない」

とあるインタビュー記事で、鈴木会長が「『良いものを作れば売れる』は開発者の驕りにすぎない」というテーマで話をされていました。

この記事を読めば、鈴木会長がどのようなスタンスで「モノづくり」に向き合っているかがわかります。ヤマダなりにポイントを3点にまとめてみました。

● 生活必需品を作らない
● 無闇に新商品を作らない
● モノマネ商品は作らない

これが鈴木会長のモノづくりに関する考え方。モノづくりの「3ない」です。

生活必需品を作らない

鈴木会長は、

生活必需品はやらない。そこはコモディティーの大量生産・大量消費の世界だから。

とコメントしています。

前回お話しした「市場の3ない」の中の「マスプロダクト(大量生産品)に手を出さない」に通ずる部分ですね。大企業が得意とする戦場では戦わないということです。

 

それでは何を作るのかというと、鈴木会長は、

私の方針は、「あってもなくてもいいものを売る」です。(中略)

その上で、「聞いてわかる、見てわかる、使ってわかる」で、高い効能と使用価値を提供しながら、そこからさらに心理的な満足感を売る。

と言っています。

 

洗剤やシャンプーのような生活必需品は「ないと困るもの」「(満足であろうが不満足であろうが)必要だから使っているもの」です。

これに対して、エステーが作っているのは「消臭剤」「脱臭剤」「防虫剤」「除湿剤」など。
確かに、あってもなくてもいい商品です。
「これがないと生活することができない!」というほどの商品ではありません(笑)

それでも、何某かの効果を感じられるものであれば、何箇月かして効果がなくなった時に、また買いたくなるんですよね。リピーターが付くんです。

 

更に、鈴木会長は、

ドライペットなんて湿気を吸って水が貯まってきたのが目で見て分かり、脱臭炭は黒いゼリーがだんだん減ってきて最後は炭のカラカラ音がして使い終わりが聞いて分かる。

「あぁ、仕事をしてくれているんだな」と感じるのは気持ちがいいんですよ。

と説明しています。

「あってもなくてもいいもの」について効果を感じてもらう。
数箇月でなくなるようなものを作って、それを継続的に買ってもらう。

これがエステーのモノづくりについての考え方なのです。

無闇に新商品を作らない

モノを売りたいと思うと、次々に新しい商品を企画・開発したくなるものです。

しかし、鈴木会長はこんな警鐘を鳴らしています。

最近、「新製品が当たらない」と嘆く人が多いでしょ。
でも僕から言わせれば、ヒットしなくなったのではなくてやり過ぎてるんですよ。球数が多すぎる。

 

また、鈴木会長は、

「なるたけ出すな。それよりも今売っているものをヒットさせろ。あるいはヒットしているものをホームランにせよ」と言ってるんです。その方が利口ですよ。

とも言っています。

あまり色々なものに浮気せず、商品を絞って、じっくり取り組めということですね。
単発のヒット商品を狙うより、丁寧にロングセラーの商品を作っていく。

エステーはこういう地道な取り組みで、「消臭力」や「脱臭炭」をロングセラーに育て上げたのです。

モノマネ商品は作らない

「無闇に新商品を作らない」とは言っても、何も工夫をしなければロングセラー商品は産まれません。

鈴木会長は、

物まね商品はダメなんです。(中略)

リスクを取り少しだけでもいいから新しいもの、違うものをやり始め、しこしこやる。

と言っています。

 

● 数少ない商品に本気で取り組む
● 既存の商品に絶えず工夫を加えていく
● 少しずつでも使い勝手を良くし、ユーザーの満足度を上げていく

ということでしょうね。

派手さはない。でも地道な努力をする。
これがロングセラー商品を作っていく秘訣だと思います。

まとめ

小さな中堅企業でも勝てる戦略。モノづくりの「3ない」は、

● 生活必需品を作らない(あってもなくてもよいけれど、効果がわかる商品を作る)
● 無闇に新商品を作らない(数少ない商品をロングセラーに育てる努力をする)
● モノマネ商品は作らない(少しだけでもいいから新しいものを作り、それに絶えず工夫を加えていく)

の3つです。「地道にしこしこやる」がキーワードですよ!

参考記事

この記事中の鈴木会長の言葉は、ダイヤモンド・オンラインの「『良いものを作れば売れる』は開発者の驕りにすぎない」から引用しています。

 

この記事のタイトル「『良いものを作れば売れる』は開発者の驕りにすぎない」。

これはヤマダも事あるごとにお客様にお伝えしていることです。

開発者が自分の作った商品に自信を持つのはいいことです。
でも開発者から見た良い商品、技術的に優れた商品が売れるとは限りません。
「技術的に優れている」と「ユーザーが効果を感じる」の間には思っている以上に大きな隙間があるんですよね。

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