東銀座の特許事務所「クロスリンク特許事務所」のヤマダです。

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士業の先生が事務所名を商標登録するメリット、商標登録しないデメリット<コラム#94>

はじめに

先日、事務所名を変更したいという士業の先生から商標登録について相談がありました。

でも事務所名を登録したいという相談ではありませんでした。
どうやら、その士業さんを統括する組織から「商標登録に関するトラブルが増えているから注意して!」というアドバイスがあったようで…。

今日は、士業の先生が事務所名を商標登録するメリット、しないデメリットについて考えてみます。

 

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最近、抽象名称を使った事務所名が増えている

以前は士業事務所の事務所名と言えば、

●「氏(姓)+業務内容」(例:「ヤマダ特許事務所」等)
●「氏名+業務内容」(例:「山田龍也特許事務所」等)

のような個人名を使ったものが大半でした。

 

しかし、最近では、「個性的な名前にしたい」「自分の想いを込めた事務所名にしたい」という理由からでしょうか、抽象名称を使った事務所名が増えています。

弁理士会でも会員向けに「氏または氏名以外の事務所名称一覧表」を公開しています。

 

どんな事務所名があるかというと、例えば、

●「青和特許法律事務所」(専門家らしく格調高いイメージ。大規模事務所に多い命名パターン)
●「フェニックス特許事務所」(強そう!)
「海の見える法律特許事務所」(命名:小田和正?)
●「千葉ユナイテッド特許事務所 」(目指せJ1昇格!?)
●「エヴァ国際特許事務所」(動け!動け!動け!動いてよー!)
●「神田のカメさん法律事務所」(ほのぼの。おじいちゃん先生が出てきそう)

等々。実に様々な事務所名があるのです。

抽象名称を使った事務所名の問題点

一般に、「ヤマダ」等の「ありふれた氏」は、自分の商品・サービスと他人の商品・サービスを識別させる力(識別力)が弱く、商標として機能しないと考えられています。

このため、自分の名前が入った事務所名については、他人が出願した場合は勿論、自分で出願したとしても商標登録されないことが殆どです(商標法第3条第1項第4号)。

 

従って、自分の名前が入った事務所名を使っていた時代には、他の人の商標権についてあまり気にしなくてもよかったのです。

しかし、抽象名称については識別力があれば商標登録される可能性があります。

このため、事務所名に抽象名称を使いたい場合には、その抽象名称について他の人が商標登録していないか予め調査した方がよいのです。

仮に、他の誰かが既に商標登録している抽象名称を、その人が商標を使用する商品・サービスと似通った商品・サービスについて使ってしまうと、その人の商標権を侵害したか否かで争いになり、トラブルが発生するおそれがあるので要注意です。

事務所名を商標登録するメリット、商標登録しないデメリット

抽象名称を使った事務所名を商標登録しない場合、誰かにその抽象名称を商標登録される可能性があります。

 

従って、事務所名を登録しない場合のデメリットとしては、

● 常に他人の出願する商標に気を使わなければならない
● 最悪、事務所名が使えなくなる、事務所名の変更を迫られるケースも考えられる
● 商標権の侵害について争いになった場合に要する時間、手間、精神的負担
● その事務所名の下で築き上げた事務所の信用の喪失

等が考えられます。

 

逆に、事務所名を商標登録する場合のメリットはといえば、

● 他人に商標権を取得される心配なく、同じ事務所名で事業を継続することができる安心感
● 似たような商標を使用・登録しようとする同業者への牽制効果

辺りでしょうか。

事例:「クロスリンク特許事務所」の場合

かくいう、うちの事務所も「クロスリンク」という抽象名称を使った事務所名です。
商標登録もしています。

 

商標は2種類。

● 「クロスリンク」という屋号についての文字商標
● ロゴマークについての図形商標

の2つを商標登録しています。

 

商標を使用するサービスについては、2つの商標とも、

●「第45類 知的財産権に関する手続の代理」等
●「第41類 セミナーの企画・運営又は開催」等

を指定しています。

主な業務である「第45類 知的財産権に関する手続の代理」等については勿論ですが、事務所名でセミナーを開催する場合等に備えて「第41類 セミナーの企画・運営又は開催」等も押さえています。

 

抽象名称については、同じ士業で使っている人がいないからといって安心してはいけません。
他士業、もっと言えば他業種の人が商標登録をしている可能性もあるという点に注意が必要です。

例えば、「法律相談」というサービスについて、他士業の先生が「クロスリンク」(法務事務所、法律事務所、弁護士事務所等)を出願しても商標登録を受けることはできません。
この商標登録で指定している「知的財産権に関する助言及びコンサルティング」と、「法律相談」はサービスが似通っていると判断されるからです。

また、最近は、士業の先生も、セミナーを開催したり、経営に関するコンサルティングをしたりと、業務が多角化しています。
これらの本業ドンズバではないサービスについては、他業種の方が既にその抽象名称を商標登録しているケースも考えられます。

事務所名に抽象名称を使用する場合には、十分な調査を行い、必要に応じて商標登録を検討されることをお勧めします。

 

まとめ

事務所名を商標登録するメリット、商標登録しないデメリット、いかがでしたでしょうか?

ポイントを整理すると、抽象名称を使った事務所名については、

● 他人に商標登録されていないか予め調査し、必要に応じて商標登録を検討する
● 同じ士業のみならず、他士業や他業種の商標登録にも目を配る
● 本業ドンズバではないサービス(セミナー開催、経営コンサル等)の見落としには要注意

です。

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