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「フランク三浦」が本家「フランクミュラー」に勝訴!パロディは認められたのか?<コラム#97>

はじめに

昨日、パロディ時計「フランク三浦」に関する最高裁判決のニュースが入ってきました。
このニュースにもワイドショーが食いつくんでしょうなぁ。
ピコ太郎の「PPAP」や「プレミアムフライデー」に続き、またも商標のニュースが世間を賑わせる事になりそうです(笑)

ただ、このニュース。
どうも間違って伝わってるような気がするんですよねぇ。

今日は、この「フランク三浦」事件について考察してみます。

 

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「フランク三浦」事件のあらすじ

この事件は、本家「フランクミューラー」側が、特許庁に対し、商標「フランク三浦」の登録を無効にするよう審判を請求したところから始まっています。

 

まずは、第1ラウンド(特許庁)。ここでは、本家「フランクミュラー」が勝利!

特許庁は、商標「フランク三浦」が、

● 本家側が先に登録した商標「フランク ミュラー」に似ている

等の理由から、商標「フランク三浦」の登録を無効にする審決を出しました。

 

お次は、第2ラウンド(知財高裁)。ここでは、一転、「フランク三浦」側が勝利!

「フランク三浦」側は、特許庁の審決を不服として、知財高裁に対し、特許庁が出した無効審決を取り消すよう訴訟を提起しました。

知財高裁は、「フランク三浦」側の主張を認め、特許庁の審決は誤りであると指摘しました。

そして、商標「フランク三浦」は、

● 本家側が先に登録した商標「フランク ミュラー」とは似ていない

等の理由により、特許庁の審決を取り消す判決を出したのです。

 

そして、今回の第3ラウンド(最高裁)。ここでも、「フランク三浦」側が勝利!

本家「フランクミューラー」側は、知財高裁の判決を不服として、最高裁に対し、知財高裁が出した判決を取り消すよう上告しました。

しかし、最高裁は知財高裁の判決を支持し、知財高裁の出した判決が確定しました。
商標「フランク三浦」の登録は無効にならず、維持されたということです。

「フランク三浦」側は、腕時計に商標「フランク三浦」を付けて販売することができるようになったのです。

「フランク三浦」事件、間違って理解してない?

このブログの冒頭で、このニュースが間違って伝わってるような気がする、と言いました。
いくつか間違えやすいポイントを挙げておきます。

(1)商標権侵害の話ではない

今回の事件は、商標「フランク三浦」の登録を無効にするかどうか、が争われた事件です。
「フランク三浦」側が、本家「フランクミュラー」の商標権を侵害したかどうか、という話ではありません。

(2)商標以外の面については判断されていない

今回の事件は、あくまで「商標」についての判断です。
例えば、腕時計のデザインが似ているかどうかについては判断したものではありません。

だから、今回の判決が出たからと言って、あのデザインのパロディ時計を売ることについて最高裁がお墨付きを与えたということにはなりません。

(3)パロディ商品が認められたわけではない

そして、一番誤解されてそうなところ。
パロディ商品なら何でも認められるわけではありません

 

商標が似ているかどうかは、商標の

● 外観(見た目)
● 称呼(呼び名)
● 観念(意味内容)

の3要素によって、買い手が商品を取り違えるおそれがあるかどうか、という基準に、

● 商品の取引実情

が加味されて判断されます。

 

今回の事件は、対象が「フランクミュラー」の高級時計であった、という特殊な事情があります。

「フランク三浦」のパロディ時計と「フランクミュラー」の高級時計の価格差。
これが「商品の取引実情」として加味されて、

● 買い手が商品を取り違えるわけはない

だから、

●「フランク三浦」は「フランクミュラー」に似ていない

という判断になったわけです。

 

これがTシャツだったら、どうでしょう?

例えば、こういうやつね(笑)

「【アジデス】思わず欲しくなる!パロディTシャツまとめ【オコシテ】」


引用元:NEVERまとめ

(この場合は商標登録ではなく、本家の商標権を侵害しているかどうかが問題になるのかもしれませんが。)

 

時計ほどの価格差はつかなそうですよね。
それに、ロゴマークの作り方次第で、本家のロゴマークに限りなく寄せていくこともできそうです。

そうすると、今回とは同じ判断にはならず、「似た商標を使っている。商標権侵害!」と判断される可能性だってあるわけです。

 

こうして見てくると、「フランク三浦」は実に絶妙なラインを突いていることがわかります。
特に「三浦」という漢字を使ったことがポイントですね!

漢字を使ったことによって「見た目」「意味内容」に加えてイメージも、本家とは全く似ても似つかないものになっている。
それでも、本家をしっかりイメージさせて、手に取った人をクスっと笑わせる。

これは結構なセンスが必要です。
誰もができる芸当じゃないんですよ。

 

ということで、パロディであれば、全て免責されるというわけではありません。
その点はくれぐれも誤解のないようにしてくださいね。

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お騒がせ商標についての過去記事はこちら!




 

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