ネーミングのコツ|商品とは無関係の言葉を使った「赤いきつね」|本日のポイント
ネットを徘徊していたら、こんな記事を見つけました。
マルちゃん「赤いきつね」の開発当初の名前は「熱いきつね」だった|週間アスキー
マルちゃんのカップうどん「赤いきつね」。
言わずと知れたロングセラー商品です。
今日はこの「赤いきつね」が題材です。
「赤いきつね」から学びたいネーミングのコツは以下の3つです。
② パッケージデザインと関連付ける
③ 関連商品・シリーズ化も頭に入れておく
ネーミングのコツ①|誰もが知っているけど商品とは関係ない言葉を使う
ネーミングのコツ、1つ目は誰もが知っているけど商品とは関係ない言葉を使うという点です。
この商品名の特徴は「赤い」の部分です。
トマトソースのアラビアータや唐辛子がたっぷり入った担々麺ならわかります。
実際に色が赤いですから。
でも、この商品は純和風のお出汁が効いたきつねうどん。
商品自体は全く赤くはないのです。
それなのに、商品とは全く関係ない「赤い」という言葉を使う。
これはかなり斬新でインパクトがあるネーミングです。
人は違和感があると興味を持ちます。
「うどんが赤いってどういうことよ?!」と興味を持つわけです。
きつねうどんだから「きつね」。
名前の特徴は「赤い」の部分だけ。
たった3文字。
それでも「うどん」と組み合わせると斬新さがある。
そして、短くてインパクトがあるので、記憶にも残りやすいわけです。
しかも、「赤い」は造語ではなく、一般的に使われる言葉です。
だから覚えやすい。
短くてシンプルで覚えやすいのに斬新でインパクトがある。
ネーミングのお手本のような商品名と言えます。
ネーミングのコツ②|パッケージデザインと関連付ける
ネーミングのコツ、2つ目はパッケージデザインと関連付けるという点です。
「赤いきつね」で印象的なのは、あの赤を印象的に使ったパッケージデザインです。
蓋も容器もベースカラーは赤。
そこに白の太文字で「赤いきつね」と書いてあります。
非常に印象的なパッケージデザインです。
これだと、同業他社のカップうどんと間違えようがありません。
極めて強力な差別化要素になっています。
しかし、パッケージデザインを目立つ色にすればよいかというとそうではありません。
商品名に「赤い」と入っていることが効いているのです。
商品名「赤いきつね」と、赤を強調したパッケージデザインとを連動させたことが強力な差別化要素となっているのです。
ネーミングのコツ③|関連商品・シリーズ化も頭に入れておく
ネーミングのコツ、3つ目は関連商品・シリーズ化も頭に入れておくということです。
「赤いきつね」は色を名前の特徴にしています。
このことが関連商品への展開を容易にしています。
「赤いきつね」と言えば、「緑のたぬき」ですよね。
「緑のたぬき」はカップの天ぷら蕎麦。
「赤いきつね」と同様に、商品自体が緑色をしているわけではありません。
それでも、「赤いきつね」を知っている人であれば、
と、ピンとくるわけです。
「赤いきつね」の赤いパッケージと、「緑のたぬき」のグリーンのパッケージ。
補色関係にある赤と緑のパッケージがお店の棚に並んでいると鮮やかですよね。
「赤いきつね」と「緑のたぬき」を並べて販売する。
こうすることで、「赤いきつね」のファンに、後発商品の「緑のたぬき」をアピールすることができます。
「赤いきつね」を買いに来た人が、「おっ!新しい商品が出てる。買ってみるか」と、なるわけです。
相乗効果を望めるメリットがあるんです。
商品名を考える時には、最初に発売した商品の関連商品、シリーズ化まで頭に入れておく。
そうすることで、二発目以降の商品の売出しやブランドづくりが容易になるメリットがあるのです。
ネーミングのコツ|商品とは無関係の言葉を使った「赤いきつね」|まとめ
「赤いきつね」から学びたいネーミングのコツは、
② パッケージデザインと関連付ける
③ 関連商品・シリーズ化も頭に入れておく
商品名の相談を受けていると、商品の内容を説明したにすぎない名前を商標登録したいという方が多いんですよね。
同種の商品であれば、商品内容の説明は似たようなものになりがちです。
これでは同種の商品(今回の例ならカップうどん)が出てきた時に区別することができません。
他社の商品と区別できなければ、お客さんは商品を取り違えてしまうおそれがあります。
説明的な名前は個性が出にくく、ブランド化に繋がらないんです。
もっと頭を使いましょう。
商標やブランドは他社の商品と区別ができてなんぼです。
商品の説明にすぎない名前では他の商品と区別できませんよ(笑)
ネーミングに興味が出てきた人へ
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