※アイキャッチ画像はAI(NotebookLM)で生成
良いネーミングを作るコツ。
それは、失敗パターンを知ること。失敗パターンを知ってそれを避けることの方が、実は近道だったりします。
ネーミングの相談を受けていると、共通の失敗パターンがあります。今回は、ありがちな3つの失敗パターンを事例とともに紹介します。
失敗パターン1:抽象的すぎる
ネーミングの相談を受けていてよく出てくるのが、良さげなことは言っているけど、抽象的すぎる名前です。
フワッとしていて、誰の心にも刺さらない。「言葉の解像度が低い」と言ってもいいかもしれません。
以前、起業を考えている方のネーミングセッションを行いました。「働き方に関するコンサルタントをしたい」という方。
会った人の印象に残る肩書きや屋号を作りたいということで、3つの案を持ってきてもらったんですが、どれもイマイチ…。
「世界中の人々を笑顔に!」的な、言いたいことはわかるんだけど、対象がデカすぎるんですよね。だから、言葉がフワフワしていて、エッヂが効いてない。
こういう抽象的なネーミングだと、見た人が自分ごとに思えないんですよね。だから、興味を持ってもらえない。
こうなる原因は明らかです。もう、これはネーミング以前のところの問題です。
ネーミングは3〜7文字程度の短いワード。その中に伝えたいメッセージをギュッと詰め込まないといけない。だから大前提として、「誰に・何を・なぜ届けるのか」を明確にした上で、言葉を設計していかないといけない。
例えば、ネーミングを考える前に、以下の3つの視点で整理してみるといいですよ。
- Company(自社):自分の固有の強みや人にはない経験は何か?(些細なことと決めつけずに、自分が今までやってきたことの棚卸し・深堀りをする)
- Customer(顧客):見込み客の本当の悩みは何か?(ホームページのアクセス数を増やしたい→売上を上げたい;等)
- Competitor(競合):同じようなサービスを提供している人と、何がどう違っているのか(機能や品質の差ではなく、お客様の体験の差。美味しいコーヒー→居心地の良い場所<スターバックス>)
先ほどの相談者さんに、「あなたは経営者サイドと雇用されているサイド、どちらの立場に立って働き方を指南するんですか?」と聞いたところ、「スッキリしました!雇用されている側です!」とおっしゃっていました。
立ち位置が明確になれば、使うべき言葉も変わってきます。ネーミングに煮詰まったら、まず自分・顧客・競合の3方向、「3C」から掘り下げてみてください。
失敗パターン2:身の丈以上に背伸びする(「青の洞窟」症候群)
もう一つよくある失敗が、カッコよく決めようとしてスベるパターンです。
これも実際の相談者さんの例です。米粉のパスタを開発されて、その商品名のネーミングを考えている方でした。その方が持ってきた案がこちらです。
- 「稲穂のしらべ」
- 「和風雅(わふうが)」
- 「緑の回廊(こりどーる)」
一見、シャレたネーミングに見えます。でも、ちょっと背伸びしている感じがします。
「緑の回廊(こりどーる)」。どこかで見たような名前じゃありませんか?
そう。パスタブランドで「青の洞窟」ってありますよね。知らず知らずのうちに、大企業の有名ブランドに引っ張られてしまう病(やまい)…。このネーミングビギナーがかかってしまいがちな病気を、私は「青の洞窟症候群」と名付けました(笑)
キラキラワードや流行語を持ってくる。自分のブランドや商品とは身の丈に合わない名前をつけてしまう。こうなると、却って安っぽく見えてしまいます。
背伸びをしないで、身の丈に合った、自分だけのストーリーを探しましょう。
- なぜその商品が生まれたのか?
- その商品にはどんな思いが込められているのか?
- その商品を誰に届けたいのか?
ここを掘り下げることで、大企業では絶対に出てこない、あなただけのネーミングが見えてきます。
失敗パターン3:外国語・スラングのチェック漏れ
2026年2月、カラーコンタクトレンズの新ブランド「Cunte(キュント)」が発売直前に大炎上し、発売延期・ブランド名変更に追い込まれました。
理由は、この言葉は英語圏では卑猥な意味に聞こえてしまうから。
「考えすぎじゃないの?」という擁護の声もありましたが、一度炎上してしまうと企業としては大ダメージ。アイドルをキャラクターに起用し、力を入れて育てようとしていたブランドなのに、絵に描いた餅で終わってしまいました。
実は、こういう事例、結構あるんです。
- カルピス: 英語圏で「cow piss(牛のおしっこ)」に聞こえるため、「CALPICO(カルピコ)」に変更。
- パジェロ: スペイン語で下品なスラングになるため、「モンテロ(「狩人」の意味)」に変更。
- ポカリスエット: 英語圏で「汗(SWEAT)が入っているの?」という誤解を生むため、「ポカリ(POCARI)」に変更。
「良い名前ができた!」と思うと舞い上がってしまって、チェックが甘くなる。これがそのまま世に出てしまって炎上…。よくあるパターンなんです。
すべての外国語をチェックするのは難しいかもしれませんが、せめて使う人が多い英語とスペイン語くらいはネイティブチェックをしてもらうことをお勧めします。
特に今はネットで世界中がつながるグローバルな時代。「外国語圏の人が見たらどう見えるか?」という視点を持ってネーミングをした方がよいでしょう。
チェックポイントは3つ。
- 外国の人が聞いた場合に、どう聞こえるか?
- スラングに該当していないか?
- 本来意図していない、おかしな解釈をされないか?
この3つに気をつけていきましょう。
まとめ:3つの罠を避ければ、名前は必ず良くなる
今回紹介した3つの失敗パターンをまとめます。

- パターン1: 抽象的すぎる → 自分・顧客・競合の3方向に掘り下げる
- パターン2: 身の丈以上に背伸びする(「青の洞窟」症候群) → 身の丈に合った自分だけのストーリーを探す
- パターン3: 外国語・スラングのチェック漏れ → 外国の人目線でのチェックを怠らない
「商品はいいのに、名前で台無し」。これほどもったいないことはありません。
ネーミングの良し悪しを判断する前に、まずこの3つの罠に自分が陥っていないかを確認してみてください。
良いネーミングの考え方・原則については、「良いネーミング」の誤解を解く。売れる名前には理屈があるを、具体的なテクニックについては、ネーミングは「遊び」から始まる。センスに頼らず良い名前を作る7つのテクニックを、あわせてお読みください。
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