【ネーミング例】「彩々野菜(さいさいやさい)」(冷凍パスタの商品名)

ネーミング事例「彩々野菜」のパッケージ

野菜たっぷりの冷凍パスタ「彩々野菜(さいさいやさい)」。耳馴染みがよく、覚えやすい名前です。また、野菜の彩りもイメージすることができるので、ついつい買ってしまいそうです。今回はこの「彩々野菜」というネーミングを分析してみます。

目次

「彩々野菜」について

「彩々野菜」シリーズの売りは野菜がたっぷり入っていることです。

販売元の日本製粉さんのHPにも、以下のような記載があります。

「彩々野菜」シリーズは、1食に野菜を50g以上使用しているので、野菜不足を補うのにぴったりの、健康にやさしいシリーズです。

2016年秋冬家庭用冷凍食品新発売|日本製粉
ネーミング事例「彩々野菜」のパッケージ

何種類か食べ比べてみましたが、「彩々野菜 海老と5種野菜 ペペロンチーノ」がおススメです。野菜の存在感が半端ないんです!

レンジでチンするとこんな感じ。

結構、野菜が入っていると思いませんか?

スナップえんどうやブロッコリー、ズッキーニや揚げなす等、大ぶりの野菜がゴロゴロ入っています。赤と黄色のピーマンも入って、彩りも鮮やかです。冷凍食品なのに野菜の食感もかなり残っているんですよね。

オイル系のパスタなので、比較的さっぱりしています。鷹の爪の辛味もかなり効いています。クリーム系のパスタはちょっと重いなぁという時に最適です。紙トレー入りなので、温めてそのまま食べられます。お皿を洗わなくていいのが嬉しいですね。

さて、この「彩々野菜」。日本製粉の登録商標です(商標公報5630019|商標番号照会|特許情報プラットフォーム)。ネーミングのポイントを考えてみましょう。

ネーミングのポイント

ネーミングのポイントは、

  • 音の繰り返し

です。

音の繰り返し

この商品名で見習いたいのが、音の繰り返しです。

音を抜き出してみると、こんな感じです。

  • 「サイサイ ヤサイ」と、語尾で韻を踏んでいる
  • サイサイ ヤサイ」と、「サイ」を3回繰り返している

「彩々」と「野菜」を組み合わせることによって、語呂がよく、覚えやすいキャッチーな商品名になっているということが分かります。

また、文字のチョイスにも注目してください。

「彩々」という文字からは、

  • 彩り鮮やか

というイメージが喚起されますよね。

「野菜」という生鮮品に「彩々」の語を組み合わせることで、「彩り豊かな野菜が沢山入っている」、「ヘルシー」というイメージを喚起させ、冷凍食品のネガティブなイメージ(非健康的)を覆すことに成功しているのです。

音を繰り返すことのメリット

商品の内容を(間接的に)イメージさせるというメリットがあります。

中小企業さんから商標登録を依頼される商品名には、その商品の内容を直接的に説明しているような商品名が多いです。「たっぷり野菜××」とか「ヘルシー××」のような…。このような説明的な商品名は内容がわかりやすい反面、ありきたり過ぎて覚えてもらうのが難しい場合があります。

また、その商品の内容を説明しているにすぎない(記述的商標である)として、商標登録を認められないケースも少なくないです。

ですから、ネーミングの際には、その商品の内容を直接的に説明するような名前だけではなく、その商品のセールスポイントを購買者に頭の中でイメージしてもらえる名前も併せて考えてみてください。

まとめ

ネーミングのコツは、商品の中身を直接伝える(説明する)だけではなく、購買者に商品のイメージを思い浮かべてもらう(イメージを喚起させる)ような名前を考えることです。「彩々野菜」のようなセンスのよい商品名を考えてみてくださいね。

ネーミングに興味が出てきた人へ

ネーミングに興味が出てきた方はぜひ以下の記事も読んでみてください。きっと、気付きがあるはずです。

ネーミングのコツ。センスの良い商品名を作るための5つのポイント

他のネーミングの記事はこちらから。

ネーミング事例「彩々野菜」のパッケージ

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

目次