はじめに
一昨日、平成27年4月から導入された新商標の一つ「色だけの商標」の初登録の話題をお届けしました(*1)。
今日は「音商標」について紹介したいと思います。
目に見えない「音商標」も登録を認められるようになった
従来は視覚に訴えるもの(見えるもの)でなければ商標として登録することができませんでした。このため、音については商標登録をすることができなかったのです。
しかし、
● 企業のブランド戦略の多様化
● 米国、欧州等の海外主要国でも「音」についての商標登録を認めている
等の理由から、日本でも「音商標」の登録が認められることになりました。
「音商標」とは、どんな商標か
「音商標」は、耳で聞く商標、聴覚で認識される商標です。
例えば、音楽、音声、自然音等を「音商標」として出願することができます。
より具体的には、テレビCMで使われるサウンドロゴやパソコンの起動音等も商標登録の対象になります(*2)。
「音商標」の登録第1号は「ヒサミツ♪」
「音商標」は平成27年4月から現在に至るまで500件以上が出願され、100件以上が登録されています(*3)。
「音商標」の登録第1号は、テレビCMでお馴染み、久光製薬の「ヒサミツ♪」というサウンドロゴです。登録内容を公開する公報に楽譜が書いてあるのが新鮮です(笑)
引用元:特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)(*3)
また、ネット上に公開されている登録公報のページには、「音声再生」というボタンがあります。これをクリックすると、音声ファイルが再生され、実際に「音商標」を聞くことができるようになっています。「ヒサミツ♪」の音声は下のページで聞くことができます。
<引用元:特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)>
「音商標」にはテレビCMで聞いたメロディーが多い
登録された100件以上の「音商標」を眺めてみると、テレビCMで聞いたことがあるメロディー、サウンドが相当数、登録されていることがわかります。
いくつか例を挙げてみます。
全て、引用元は「特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)」です。
登録番号をクリックし、開いたページの「音声再生」ボタンをクリックすると音声を聞くことができます。
まとめ
「音商標」はテレビ等のメディアと結びつくことによって、その効果を発揮する商標です。
そういう意味ではメディアへの露出が少ない中小企業さんが「音商標」を取得しても、あまり恩恵を受けられないかもしれません。
「音商標」はその使い所が大事なのです。
参考サイト
(*1)「色だけの商標」が遂に登録を認められた! ~新しいタイプの商標(その1)~|中小企業と個人のブランドを作る「ササるブランド戦略研究所」
[blogcard url=”https://yamadatatsuya.com/archives/2830″]
(*2)新しいタイプの商標の保護制度に関するQ&A(特許庁)
(*3)これまでの新しいタイプの商標の出願件数と登録件数(H29.2.20 現在)
商標登録に興味が出てきた人へ
商標登録に興味が出てきた方はぜひ以下の記事も読んでみてください。きっと、気付きがあるはずです。
他の商標登録の記事はこちらから。