事例・マクドナルド「ヘーホンホヘホハイ」から学ぶネーミングのコツ|商品の活用シーンをイメージさせる
「ヘーホンホヘホハイ」。
おかしな商品名ですが、実はマクドナルドのサイドメニューとして以前販売されていた「ベーコンポテトパイ」のことです。
商品名だけを変更したキャンペーン商品で、中身は「ベーコンポテトパイ」と全く変わりはありません。
サクッとしたパイ生地の中に、熱々でちょっとクリーミーなポテト、塩味とうま味を醸し出すベーコンが入っています。
クリームコロッケのタネやクリームシチューをパイ生地で包み込んだような、あったかメニューです。
最近、涼しい(寒い?)日が増えてきたので、こういうあったかメニューを食べたくなりますよね。タイムリーな商品だと思います。
ネーミングテク「商品の活用シーンをイメージさせる」
「ヘーホンホヘホハイ」は、「ベーコンポテトパイ」にかぶりついた状態で「ベーコンポテトパイ」と言ったらこんな発音になるだろうという音を文字に起こし、それを商品名にしたものです。
熱々のパイをハフハフと頬張っているシーンが目に浮かんできませんか?
元の商品名である「ベーコンポテトパイ」は、原材料の「ベーコン」「ポテト」と、商品の「パイ」を組み合わせただけの何のひねりもない商品名です。
商品の内容が分かり易いと言えば分かり易い。
でも印象に残るかというと???という感じです。
マクドナルドはこの何のひねりもない商品名に、「商品の活用シーン」というエッセンスを加えるというやり方で特徴的な商品名を生み出しました。
パイと言っても冷たいパイもあります。
でも、「ベーコンポテトパイ」は熱々のパイですよね。
そこが売りなんです。
だからそれを買い手に伝えたい。
かと言って「ホットベーコンポテトパイ」ではまどろっこしい。
そこで、熱々のパイをハフハフと頬張っているイメージを商品名に盛り込んで「ヘーホンホヘホハイ」としたわけです。
「商品の活用シーンをイメージさせる」のメリット
「商品の活用シーンをイメージさせる」という手法のメリットは、買い手に商品を購入したいという衝動を掻き立てさせることです。
商品名から商品の活用シーンをイメージすることができれば、買い手は自分のメリットを感じやすいですよね。
「ヘーホンホヘホハイ」の場合は、熱々のパイをハフハフと頬張っているイメージを商品名に盛り込んでいます。
だから、熱々のパイを食べて身体を芯から温めることができるというメリットがダイレクトに伝わり易く、「買いたい!」「食べたい!」という衝動が湧き上がってくるのです。
「商品の活用シーンをイメージさせる」以外のネーミングテク
「ヘーホンホヘホハイ」という商品名には、「商品の活用シーンをイメージさせる」以外のテクニックも使われています。
具体的には、以下の3つが挙げられます。
(1)おかしな商品名で買い手の興味を惹く
商品を購入してもらうためには、買い手が商品に興味を持ってくれることが必要です。
商品に興味を持ってくれれば、それだけで商品を購入してもらえる可能性が高まります。
「ヘーホンホヘホハイ」の場合は、その言葉自体は意味を持っていませんから、商品名を聞いた時に「何だそりゃ?」と興味を惹くことができるのです。
(2)内容をイメージしやすい
「ヘーホンホヘホハイ」は商品名単独では商品の内容が分かりません。
しかし、「ベーコンポテトパイ」と「ヘーホンホヘホハイ」は音のシンクロ率が高いので、「ベーコンポテトパイ」と紐付けられて内容を理解することができます。
(3)造語にして商標登録され易くする
「ベーコンポテトパイ」のような商品の内容をそのまま表した商品名を「記述的商標」と言います。
「記述的商標」については、ごく一部の例外を除いて商標登録を受けることはできません。
しかし、「ヘーホンホヘホハイ」のように変形を加えた造語であれば、もはや記述的商標ではありませんよね。
だから、商標の登録可能性がぐっと上がってくるのです。
まとめ
元の商品名がありきたりの商品名である等、商品名にひねりを効かせたい場合には、
● 商品の活用シーンをイメージさせるエッセンスを加える
という方法を試してみましょう。
商品名で、商品の活用シーンや買い手のメリットを伝えることで、商品を購入してくれる可能性が高まるはずです。
ぜひ試してみてください!
ネーミングに興味が出てきた人へ
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