【ネーミング例】「TranTixxii(トランティクシー)」(金属材料の商品名)

「TranTixxii(トランティクシー)」は、新日鐵住金が開発した意匠性チタン製品です。デザイン性に優れた材料で、建築物、時計・デジカメ等の構造材料として利用されているそうです。さて、耳慣れないこの名前。どんな意図で名付けられたのでしょうか?

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「TranTixxii(トランティクシー)」について

チタンは軽量で錆びにくく、強度が高いため、航空機、電力・化学プラント等、様々な分野で活用されています。そのようなチタンの材料としての魅力を活かしつつ、更に優美な外観を持たせたのが意匠性チタン製品です。

「TranTixxii(トランティクシー)」は、

  • 酸性雨、紫外線、海水に晒されても変色しにくい
  • 無塗装であるにも拘らず、100種類以上のカラーバリエーション
  • 豊富なテクスチャー(表面の質感・仕上げ)

という特徴を持っています(*1)。

(引用元:商標登録第5941983号公報(J-Platpat)(*3))

ネーミングのポイント

ネーミングのポイントは、

  • 商品の特徴を間接的に表現する

ことです。

商品の特徴を間接的に表現する

「TranTixxii(トランティクシー)」のネーミングコンセプトがブランドサイトに公開されていました(*2)。

「TranTixxii」の「Tran」の部分は「Transcend(超える)」「Transform(変化する)」に由来するものです。そして、「Ti」はチタンの元素記号「Ti」、「xxii」はチタンの原子番号22を表すローマ数字「xxii」に由来しています。製品の特徴(原材料)である「チタン」をそのまま商品名に入れ込むのではなく、元素記号や原子番号という別の言葉で間接的に表現しているわけです。

「トランティクシー」をアルファベット表記にしたいなら、「Trantixi」「Trantixy」とすればいいはずです。これを「TranTixxii」と変形したことによって、大文字の「T」と、「xxii」という「x」と「i」のダブルの重ね文字が特徴的な商品名になりました。化学材料を扱う新日鐵住金らしいネーミングですね。

新日鐵住金は「TranTixxii(トランティクシー)」について、文字(標準文字商標)とロゴマーク(図形商標)の両方について商標登録を受けています(*2,*3)

商品の特徴を間接的に表現することのメリット

「商品の特徴を間接的に表現する」ことのメリットは、ありきたりな商品名になり難いということです。

商品の特徴をそのまま入れ込んだり、直接的に表現したりするのは、誰でも思いつくネーミング手法です。そのような手法で作った商品名はありきたりな商品名になりがちです。商品の特徴を間接的に表現することで、特徴的でセンスの良い商品名を作ることができます。

また、商品の内容をそのまま表した商品名は「記述的商標」であることを理由に商標登録を受けられないケースがあります。
商品の特徴を間接的に表現することで、「記述的商標」と判断されにくくなり、商標登録を受けやすくなります。

まとめ

ネーミングに困ったら、商品やサービスの特徴(原材料、性能・機能、活用シーンなど)を別の言葉で表現できないか考えてみましょう。商品の特徴をそのまま入れ込んだ、ベタベタな商標とは一味違うセンスのよい商品名を作ることができるかもしれませんよ!

参考サイト

(*1)ブランド紹介 TranTixxiiとは(新日鐵住金)

(*2)商標登録第5941946号公報(J-Platpat)
「TranTixxii」の文字商標に関する商標登録

(*3)商標登録第5941983号公報(J-Platpat)
「TranTixxii」のロゴマークに関する商標登録

ネーミングに興味が出てきた人へ

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