絵でストーリーを語る、グラレコの専門家・安積 津友香さんとコラボ企画を行いました。これからビジネスを展開していく人に、その方にふさわしいネーミングを埋め込んだイラストをプレゼントする企画です。ヤマダはネーミングを、安積さんはイラストを担当しました。そのネーミング作成の裏側を全部お見せします。
ネーミング作成の裏側、全部見せます!の背景
この記事は、絵でストーリーを語る、グラレコの専門家・安積 津友香さんとのコラボ企画「あなたのビジネスを輝かせる ネーミング&イラストプレゼント」を行ったところから始まっています。
この企画は、これからビジネスを立ち上げたい、伸ばしていきたいという方に向けて、その方たちのビジネスに合わせて、安積さんがイラストを、ヤマダがネーミングをプレゼントするというものです。安積さんがYoutubeの番組で希望者を募ったところ、多数のご応募を頂きました。
厳正なる抽選の結果、当選したのは3名。 喜多村 明子さん、竹本 小百合さん、 松永 広明さんです。この方々へのネーミング作成の裏側をお見せすれば、ネーミングに悩んでいる方々の参考になるのではないか、そう思って記事にしました。
ネーミング&イラストの作成手順
ネーミングとイラストの作成は以下の手順で行っています。
まずは、現在使っているネーミングをお伺いし、そのネーミングに関するお悩み(課題)などをヒアリング
ヒアリングした内容(従来のネーミング)をネーミングの専門家の視点で分析し、問題点や改善点を洗い出す
現状分析の結果を踏まえて、その方のビジネスを象徴的に表現するのに相応しいネーミングを作成
ヤマダが作成したネーミングを応募者の方が気に入ってくれた段階で、そのネーミングにマッチしたイラストを作成(安積さんが担当)
ネーミングについてのヒアリング
まずは、現在使っているネーミングをお伺いし、そのネーミングに関するお悩み(課題)などをヒアリングしました。
その項目としては、
- あなたが売りたい商品・サービスはどんなものですか?
- その商品・サービスのウリ(強みや独自性)は何ですか?
- その商品・サービスと競合する、または似ている商品・サービスを教えて下さい
- その商品・サービスは特にどんな人に買って欲しいですか?
- その商品・サービスで今使っている(or 候補となっている) ネーミングを教えて下さい
- 今のネーミングの不満な点を教えて下さい。どうなったら嬉しいですか?
- その商品・サービスに対するあなたの思いを教えて下さい
などです。
ここで知りたかったのは、喜多村さんたち3人がマーケティングの3Cを意識しているかどうか、意識していたとしてそれがネーミングに表現されているかどうかです。
マーケティングの3Cとは、
- Company(自分の会社≒自分の強み・独自性)
- Competitor(競合するライバル会社≒他社との差別化要素)
- Customer(市場・顧客≒選ばれる要素・共感される要素)
の3つの頭文字をとったものです。
マーケティング(商品を売ること)を考える際には、この3つの視点から分析するというフレームワークですね。ネーミングも商品やサービスを売るためのツールですから、これと同じ観点で分析するのがよいだろう。これがヤマダの考えです。
ネーミングの現状分析
次に、ヒアリングした内容(従来のネーミング)をネーミングの専門家の視点で分析し、問題点や改善点を洗い出します。
相談をするというのは今のネーミングに何か不満やしっくりしない部分があるから。ここにネーミング改善の要素があることが多いんです。
お三方が使っていた商品名・サービス名(ネーミング)は以下のとおりです。
- 「話し方の真実」(喜多村さん。話し方の勉強会)
- 「かるしお」(竹本さん。減塩しても旨味を感じられる料理の作り方またはその料理)
- 「なんちゃってアジャイルをこよなく憎むアジャイルコーチ」(松永さん。アジャイルコーチングサービス)
これらのネーミングと、お三方が抱えているネーミングのお悩み・不満に思っている部分とを照らし合わせ、改善点を探っていきます。
私が感じたのは、
- ネーミングと、本人のキャラクターやサービスの内容とのズレ(喜多村さん)
- ネーミングと、商品対象・サービス対象とのズレ(竹本さん)
- ネーミングにサービスの特徴や独自性が出ていない(松永さん)
でした。この辺りを踏まえて、ネーミングを作っていきます。
ネーミング作成
ネーミング作成で大事なのは、本人が描いているイメージと、ネーミング(名前や言葉)から客観的に導き出される意味内容とのギャップ(ズレ)を矯正することです。
ズレた言葉を使えば、間違ったイメージが伝わります。本来の良さが失われてしまう。だから、その方のありのままの姿、本来の良さをそのまま伝える。地味なやり方ではありますが、これが一番効きます。
ヤマダの手法はクリエイティブなネーミングを創り上げるというより、商品やサービスの本来的な良さをネーミングとして引き出すこと。「ヤマダ再生工場」とでも言っておきましょう。ですので、派手な名前やカッコいい名前を考えたい方は、新進気鋭のコピーライターさん・クリエイターさんに相談してください(笑)
今回の3つのネーミング作成の裏側は個別記事にまとめています。詳細についてはそちらをご覧ください。
フリーアナウンサーの勉強会「ほんとうの話し上手」(喜多村さん)
「話し方の真実」から、「ほんとうの話し上手」にリメイクしました。かなり柔らかい印象になりました。
ネーミング作成の裏側、全部見せます!|事例「ほんとうの話し上手」~フリーアナウンサーの勉強会~
管理栄養士が提案する美味しい減塩料理「ちょい塩料理」(竹本さん)
「かるしお」(≒軽塩)から、「ちょい塩料理」にリメイクしました。ネーミングの対象が「特殊な塩」ではなく、調理法であることが明確になりました。
ネーミング作成の裏側、全部見せます!|事例「ちょい塩料理」~管理栄養士が提案する美味しい減塩料理~
真のアジャイル開発を可能とするアジャイルコーチング「ONE-AGILE」(松永さん)
「なんちゃってアジャイルをこよなく憎むアジャイルコーチ」から、「ONE-AGILE」にリメイクしました。松永さんの目指すサービスの方向性が一語で表現されました。
ネーミング作成の裏側、全部見せます!|事例「ONE-AGILE」~真のアジャイル開発を可能とするアジャイルコーチング~
今日のまとめ
「ネーミング作成の裏側、全部見せます!」。3回シリーズの記事を総まとめしてみました。
ネーミングで大事なのはたくさんの事例を見ること。そして、それらのネーミングと自分のネーミングを比べ、きちんと差別化することができているかを確認することなんです。
ネーミングを分析的に見る。「ネーミングセンス」に頼らず、ロジカルにネーミングを行う。これが思いつきネーミングを脱する方法です。ぜひ試してみてください。
もし、この記事を読んで、「本気でネーミングに取り組んでみよう!」と思った方は、ぜひヤマダまでご相談ください。専門的知識を持った第三者の客観的な視点を入れることで、自分本位のネーミングから脱することができますよ。
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